友達がマイホームを建ててお邪魔した時に、「お前はいつまで賃貸?」とか、「早く家を買って家族を安心させてやれよ」みたいなことを言われた経験ありませんか?
そういう言葉って、羨ましいとか悔しいって思いつつ、同時に違和感も湧きますよね。
「家を建てて一人前」みたいな言葉が、
まるで“持ち家=正解”のような風潮に聞こえてしまいます。
もちろん、家を建てること自体はすばらしいこと。
けれど勢いだけで決めている人を見ると、
「それって本当に自分の望む暮らしなのかな?」と思うこともあります。
マイホームは大きな買い物だからこそ、
まわりの価値観に流されず、
“自分にとって何が幸せなのか”を考えることが大切。
この記事では、
うらやましさを感じながらも冷静に暮らしを見つめたいあなたへ、
焦らず選ぶマイホームの考え方をお伝えします。
マイホームを購入した友人賃貸だと、一生家賃払わなきゃじゃん。
持ち家だったらローン完済した瞬間資産になるから!
マイホームを夢見る賃貸暮らし俺だって買いたいけど、今の給料じゃ頭金で一文無しだよ…
妻に働く時間増やしてくれなんて可哀想で言えない(泣)
マイホームの話題で感じる、見えないプレッシャーとマウントの空気
無意識のマウントは、悪気がないからこそ刺さる
「まだ賃貸なの?」「うち、ついにローン審査通ったんだ〜!」
そんな何気ない会話の一言にも、
“上から”というより“上にいる”感じがにじむことがあります。
相手はただ話しているだけかもしれない。
でも、聞く側にとっては
「自分はまだ何も持ってない」「遅れているのかな」
という焦りを刺激されることがあるんですよね。
SNSや日常会話の中では、
「マウントするつもりがない人」ほど、マウントに見えてしまう瞬間がある。
だからこそ、自分がしんどくなるのも無理はありません。
比べる舞台が“生活”だからこそ、響いてしまう
ファッションや旅行なら「好みの違い」で済むけれど、
“家”は人生の基盤。
結婚・子育て・経済力など、
いろんな意味が詰まっているからこそ、
マイホームに関する話題は自己価値に直結しやすいんです。
だから「いい家=いい人生」みたいな空気が生まれるし、
それが少しでも鼻にかかる表現だと、
“マウント感”を強く感じてしまう。
自分は家を買うどころか、日々の生活をやりくりするのがやっとだ…
そんな自己嫌悪に陥ってしまう方も珍しくありません。
マイホームを“勢いで建てる”人が増えている理由

最近、SNSを見ていると
「結婚を機に」「子どもが生まれたから」
という流れでマイホームを建てる人が本当に多いですよね。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
家族が増えて、落ち着いた暮らしをしたいと思うのは自然なこと。
でも、その“自然な流れ”のまま勢いで購入してしまうケースも少なくありません。
「結婚→出産→マイホーム」という“定番ルート”の落とし穴
日本では昔から、「家庭を持ったら家を買う」という考え方が根強くあります。
親世代もそれが当たり前だったため、
「そろそろ家、どうするの?」と無意識にプレッシャーをかけてくることも。
結婚して、子どもができて、
「じゃあ次は家だよね」という流れで住宅展示場に行く。
でもその“流れ”のまま話が進んでしまうと、
最初は見るだけだったつもりが、気づいた時には間取りと予算を決めて、銀行のローン審査を通そうとしていた…なんてこともよくある話です。
夫住宅展示場で家をある程度考えるか。
そのあとはディーラーでファミリーカーを見に行こうよ
妻家を検討するなら、家具も見たい!
あと、家電も最新式のに買い替えたいわ!!
「今がチャンス」と背中を押す営業トーク
不動産会社や住宅メーカーの営業トークも、
勢いを後押しする大きな要因です。
「これまでは低金利が続いてきたけど、来年はさすがに上がりそうです」
「内閣が変わったから、住宅ローン減税が使えるのは今年が最後かも」
「世界情勢が不安定だから、これから建材は値上がりし続けても決して下がることはない」
──そんな言葉を聞くと、
「今買わなきゃ損なのかも」と焦る気持ちが湧いてしまいます。
でも、営業マンは“家を売るのが仕事”。
あなたの日頃の生活収支は知りませんし、ローンの限度額を見越したオプションを提案されます。
焦って契約したあとで
「思ったよりローンが重くて、返済のために深夜バイトしなければいけない…」
「立地を妥協しすぎて、町内会の付き合いをしないと村八分になってしまう地域だった…」
と後悔する人も少なくないんです。
“見栄”が決断を早めてしまうことも
友達が次々に家を建てていくと、
「うちもそろそろ…」という気持ちになるのも無理はありません。
“みんな持ってるから”という空気や、
“マイホームを建てた=成功”という価値観が、
見栄や焦りを刺激してしまうんです。
本当はまだ貯金を増やしたいと思っていても、
「このタイミングを逃したら家を持てないかも」
と焦って決めてしまう人もいます。
でも、将来のライフプランを立てずに貯金のほとんどを頭金に充てたり、高めのローンを組んでしまうと、その後が金銭的に身動きができなくなってしまいます。
家はあるけど、無理な節約を日々強いられていては本末転倒。
実際、そんな場面に直面して初めて、「もっと考えればよかった」と気づく人も少なくありません。
夫今月から、深夜のコンビニバイト行ってくる。
お前も時間があるならパートを掛け持ちしてくれ…
妻子供がまだ小さいんだから無理よ…
それにあなたの会社は副業禁止なんだから、もし見つかったらまずいんじゃない?
家を建てなくても、“ちゃんと幸せ”に暮らせる

「マイホームを持つ=幸せ」
そんなイメージが今でも根強くありますが、
本当の幸せは“どんな家に住むか”よりも、
“どう暮らすか”で決まるのかもしれません。
家を持たない選択は、決して負けでも、逃げでもありません。
むしろ、これからの時代は「自分のペースで決める暮らし方」が
どんどん増えていくはずです。
子育てが落ち着いてから、こじんまりした家をキャッシュで買うのもアリ
子どもが独立してから、
将来のライフスタイルを見据えて
小さな家をキャッシュで購入するという選択もあります。
ローンに追われず、
必要な広さだけを持つ暮らしはとても身軽。
若いうちに無理して大きな家を建てるよりも、
老後の安心と自由を優先するという生き方も十分現実的です。
親がいなくなった実家を建て替えるという選択肢も
焦って家を建てなくても、
いずれ実家を引き継ぐタイミングが来る人も多いですよね。
そのときに、
実家の土地を活かして建て替えるというのも一つの方法。
土地代がかからないぶん、
資金に余裕を持ちながら理想の家を建てられるケースもあります。
“今”ではなく、“必要になったとき”に考えることで、
後悔のない決断がしやすくなります。
生涯賃貸でも大丈夫。資産をしっかり育てていけばいい
「ずっと賃貸だと不安」と思う人もいますが、
実はそれも一つの合理的な選択です。
持ち家は固定資産税や修繕費がかかる一方、
賃貸なら住み替えが自由で、
その分を資産形成にまわせるという強みがあります。
投資や貯蓄でしっかりと資産を育てておけば、
老後に「家賃が払えなくなる」心配も減ります。
(ただし、賃貸住み高齢者は更新の際のハードルが高くなりますので、そこは注意が必要です)
大切なのは、“家を持つこと”ではなく、
安心して暮らせる基盤をどう作るかという視点です。
大切なのは、“自分にとって心地いい暮らし方”を選ぶこと
「子どものために家を建てたい」という思いも素敵です。
でも家を持つことで経済的な余裕がなくなったり、
心にゆとりがなくなってしまったら、
それは“幸せな家族”とは言えませんよね。
本当に大切なのは、自分自身が幸せでいられる暮らしを選ぶこと。
生涯にわたって親が笑顔でいられることこそ、子どもにとっては一番の安心です。
また、若いうちは家を買うために無理をするよりも、
頭金を資産形成や自分の成長にまわすのも賢い選択。
投資や副業、スキルアップなどに回して、
お金を「増やす力」や「稼ぐ力」を育てていけば、
後からマイホームを買う選択肢もグッと広がります。
そして何より、
「みんなが家を買ってるから」ではなく、
“自分はどう暮らしたいか”で基準を決めること。
・広い家より、心が休まる家
・所有より、自由を選ぶ暮らし
・今より、未来を見据えた準備
そんなふうに、
「自分にとって心地いい暮らし方」を選べる人が、
本当の意味で“豊かに生きる人”なんだと思います。

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